理学検査

立位の検査

姿勢分析
側方
頭部の位置(ANT、POST)postsmall
頚椎前彎 N ↑ ↓
肩:ANT、POST
胸椎後彎 N ↑ ↓
腰椎前彎 N ↑ ↓
骨盤の傾斜(ANT、POST)
膝(ANT、POST)
外果

後方
頭部の傾き:頭部や耳介
後頭骨:乳様突起

肩甲骨:上、下方、内、外方
腸骨稜:上方、下方
殿溝:
アキレス腱:内反 外反
足関節:回内、回外

整形外科検査zx01

アダムスポジション Rib Hump
側弯症などによる左右の胸郭の変形により前屈時に一方の胸郭が突出しいるように観察される。

 

 

 

ネリーバウイングzx53
立位で体幹を屈曲することにより、障害側下肢の屈曲が起こる。膝関節の屈曲は検査の陽性を示し、腰神経根障害、坐骨神経痛、ハムストリング筋痙攣などの存在を示唆する。

 

 

ケンプ テストzx51
立位で手で同側の大腿後面に接触させながら下方に滑らせる。
テストの陽性は、腰部と同側下肢への放散痛は、内側ヘルニア、腰部と対側下肢への放散痛は外側ヘルニアを示す。また椎間関節症においても腰部と下肢への痛みが起こる。

 

神経学テスト

フィンガートウノーズzx44
両腕を伸ばし、人差し指の指先で鼻の先端にゆっくりと接触させる。次に目を閉じた状態で同じ操作を繰り返す。
テストの陽性:目を開けた状態と閉じた状態で、両方ともに鼻の先端に正確に接触できない状態は脊柱後柱障害を示唆し、目を閉じた状態だけで鼻の先端に接触できない場合、小脳障害を示唆する。

 

ロンベルグ テスト
zx64患者を両足をそろえて立たせる。この状態で立位の保持が可能な場合、目を閉じた状態で立位を保持させる。この操作でバランスを崩す場合、目を開けた状態、あるいは閉じた状態で顕著にバランスが崩れる場合テストは陽性である。
検者は検査中、患者の近くに立ち、患者がバランスを崩したときに支えなければならない。
テストの陽は、脊髄後柱、小脳、迷路機能の障害を示唆する。

座位の検査

首・頚椎・上肢

視診
顔面
頚部
肩部
上腕
前腕

頭部
顔面
顔色
傷跡、瘢痕

構造の変形

左右の対象性:顔面神経麻痺

耳下腺の肥大

眼球突出
眼球:充血、黄疸、角膜混濁、瞳孔左右対称
眼球運動;左右対称
眼瞼下垂

発疹
くも状血管腫
耳:痛風結節
顔面神経麻痺
動眼神経麻痺による眼瞼下垂
眼の動き
動眼神経、滑車神経、外転神経


リンパ節
痛風結節
ケロイド
Darwin結節

頚部
皮膚の色
傷跡、瘢痕
リンパ節;腫脹
胸鎖乳突筋;対象性、肥大
甲状腺肥大
頸静脈怒張
頚部筋の対称性
リンパ節腫脹
胸鎖乳突筋、対象性、肥大、瘢痕など
甲状腺肥大
頸静脈怒張
うっ血性心不全、タンポナーデ、収縮性心膜炎、三尖弁閉鎖不全など、
心拍出量増加(運動、不安、妊娠、貧血、甲状腺機能亢進症)でも静脈内圧上昇が起こる。

肩部、上腕、前腕、手
皮膚の色
傷跡、瘢痕
筋の変形、肥大、萎縮
骨の変形;鎖骨、肩甲骨、上腕骨、橈骨、尺骨、手根骨、中手骨、指節骨
肩鎖関節、胸鎖骨関節、肩甲上腕関節、肘関節、手関節、手の関節
手、指、母指球、小指球

触診
温度:温感、冷感
浮腫:筋組織、関節
筋のトーヌス:頚部、肩部、上肢の筋
骨構造の変形
軟組織の触診

リンパ節
甲状腺
顔面感覚

リンパ節

頭頚部のリンパ節
耳介前、後リンパ節
後頭リンパ節
浅、深頚リンパ節
後頚リンパ節
鎖骨上リンパ節
顎下リンパ節
扁桃リンパ節
オトガイリンパ節
腋窩、肩部のリンパ節
鎖骨下リンパ節
中心リンパ節
外側リンパ節
肩甲下リンパ節
胸筋リンパ節
頭部、顔面部、頚部、咽頭部の炎症、疾患

上腕、肩部、胸部、上背部の炎症疾患
甲状腺

広範囲における腫脹

峡部と左葉、右葉を含む全域に広がる腺の腫脹、明白な小結節がない状態:原因はGraves病、橋本甲状腺炎、および地方病性甲状腺腫(現在合衆国で珍しいヨウ素欠乏症に関連する) が含まれる。過疎の甲状腺腫は見かけの原因なしで拡大した腺について言及します。
複数の小結節
甲状腺の2個以上の小結節が存在する状態を言う。複数の小結節は新生物絵形成によるもので、幼年期の放射線被曝、家族暦、頚部リンパ節の腫脹を伴う場合には、悪性腫瘍の疑いがある。
1つの小結節
臨床的には1つの小結節は、良性腫瘍が疑われるが、悪性腫瘍の可能性も否定できない。放射線被曝暦、硬度、急速な成長、周囲組織への癒着、頚部リンパ節腫脹、男性における好発などにより悪性腫瘍の可能性はが高くなる。

甲状腺機能亢進症
暖かく、スムーズな湿気の多い皮膚
振せん、近位の筋の弱化
神経質
食欲増加に伴う減量
体温上昇
多汗と高熱不耐性
動悸
頻繁な排便
近位の筋の弱化、振せん
腱反射亢進
心悸高進、心房細動
収縮期圧増加、拡張期圧減少
心拍運動過剰
S1の増幅
Grave病では目つきや、眼瞼遅滞や、眼球突出を観察

甲状腺機能低下症
疲労、無気力
食欲低下に伴う体重増加
乾燥したきめの荒い肌
寒冷不耐性
顔、手、および脚の膨張
便秘
近位の筋の弱化、痙攣、関節痛
腱反射低下
感覚変化、記憶障害
後期における徐脈
低体温
収縮期圧低下、拡張期圧増加
心拍運動低下
非陥凹性浮腫、脱毛(頭髪、眉毛外側1/3)
記憶障害、混合性難聴、眠気、Peripheral神経障害、手根管症候群
目周囲の腫脹
顔面感覚
三叉神経
知覚機能

パーカッションテスト(SP)zx56
棘突を軽く叩打し、痛みの有無を検査する。
痛みが発生する場合、棘突起、その周囲の組織の損傷、過敏症などが疑われる。

握力
握力計を使用し、握力を計測する。
Indication:頚部神経症状(運動あるいは知覚)を訴えるものには実行する。
治療進行に伴う手の筋の萎縮、減弱を数量化することで、経過を観察する。
数回行い平均値をとる方法が望ましい。


橈骨動脈zx61

 

 

 

尺骨動脈zx86

 

 

 

 

整形外科検査
頚椎可動域   制限=レ  痛み=×

屈曲(45)
伸展(55)
右回旋(90)
左回旋(90)
右側屈(45)
左側屈(45)
自動可動域

zx33

他動可動域

zx34

抵抗可動域

zx29
胸腰椎可動域  制限=レ  痛み=×

屈曲(90)
伸展(30)
右回旋(30)
左回旋(30)
右側屈(30)
左側屈(30)
自動可動域

zx82

他動可動域

zx80

抵抗可動域

zx81


唾液を飲み込ませて、のどに詰まるような感覚があるかを聞く。
頚部外傷歴、脳神経障害

 

バルサルバzx87
患者は深く息を吸い込み,そのまま息をこらえる。テストが陽性の場合、脊髄内圧も上昇し,疼痛が発生する。腰部、頚部の椎間板ヘルニア,腫瘍,骨棘などの占拠性病変が原因である。
このテストの間あるいは終了後ただちに,脳への血行途絶が起こり,眩暈や失神を呈することがあるために,十分に注意し慎重にこのテストを実施しなければならない。

zx02アドソン
患者の頭を検査側に向け,患者の上腕を他動的に僅かな伸展位、外旋位に保ちながら,頭を伸展する。さらに検者は患者の橈骨動脈の脈拍を触診しながら、患者に深呼吸をさせ,それを保持させる。
脈拍が消失した場合,テストは陽性である。

ベタクルーzx05
患者をテーブルの端に座位にし、膝関節を屈曲して下腿を下げた状態にする。患者に、下肢が床と平行になるように膝関節を伸展させる。
患者が下肢が腰部痛のために下肢の伸展ができない場合、あるいは伸展時に体幹を後方に倒しながら下肢を伸展する場合は陽性である。
陽性は坐骨神経障害(特に椎間板突出によるもの)の存在を示す。

 

頚椎牽引テスト
検者は手を患者の顎に下に置き,もう一方の手を後頭部に置き,検者は患者の頭部を挙上する。このときの疼痛の消失やzx18軽減は陽性を示し、神経根の圧迫の除去を示唆している。このテストは肩の症状をチェックする際にも使われることがある。頭部を牽引しているときに,患者の上腕を動かすことによって,肩部の症状が消失あるいは軽減することがある。この場合も,頸椎での神経根圧迫を示唆する。

 

頚椎圧迫テストzx17
患者の頭部を側屈し,検者は頭部に注意深くまっすぐに圧迫を加える。側屈側の上肢への放散痛の発生は陽性で,神経根の圧迫を示唆している。痛みや感覚障害の分布によって,障害のある神経根を推測することが可能である。椎間孔圧迫テストとも呼ばれる。
神経学検査

デルマトームdeu
C2:後頭部、側頭部、下顎下縁頚部前面上部
C3:頚部、後面、側面、前下面
C4:肩部上面、前、後面、外側面
C5:上腕外側
C6:肘関節前腕外側、母指、示指
C7:中指
C8:薬指、小指、前腕遠位外側
T1:肘関節内側

 

腱反射
上腕二頭筋(C5,6)

dtrb

上腕三頭筋(C7,8)

dtrt

腕橈骨筋(C6)

dtrbr

膝蓋腱(L3,4)

dtrp

アキレス腱(S1)

dtrg

 

筋力テスト

グレーディング

5:正常:重力と十分な抵抗に対して全可動域の動きが可能
4:優:重力と中等度の抵抗に抗して全可動域の動きが可能
3:良:重力に抗して全可動域の動きが可能
2:可:重力を除くことにより全可動域の動きが可能
1:不可:筋の収縮が認められるが、運動は不可能
0:ゼロ:筋の収縮は認められない

 

肩の挙上(僧帽筋)

zx12

胸鎖乳突筋(C2,3、CN ??)

 

三角筋(C5)

zx07

上腕二頭筋 (C5,6)

zx13

上腕三頭筋(C7)

zx13

手関節伸筋群 (C6)

zx14

手関節屈筋群 (C7)

zx15

指の屈筋(C8)

zx09

指の伸筋 (C7)

zx08

指の内転 (T1)

zx11

指の外転 (T1)

zx10

 

仰臥位の検査

下肢

視診

下肢、腹部
色,瘢痕,変形
静脈瘤

瘢痕
変形
色、瘢痕,変形
静脈瘤

触診
触診:温度、浮腫、トーヌス
左右対称
鼠径リンパ節
脈:大腿動脈、足背動脈

温度、浮腫、トーヌス
鼠径リンパ節
下腹部、生殖器、大腿部の炎症
大腿動脈、足背動脈

計測
計測:大腿、下腿

下肢の神経症状(運動、知覚)が存在する場合には、筋の萎縮の進行程度を評価するために計測する。
整形外科検査

zx65SLR テスト
SLRテスト:別名Lasegueテスト,患者を完全にリラックスさせて他動的に左右個別的に行う。患者を背臥位として,股内旋、膝伸展位で,検者は患者が痛みやつっぱり感を訴えるまで下肢を挙上する。次いで,検者は患者が疼痛やつっぱり感が消失するまで,下肢を徐々に下げる。

片側下肢伸展挙上テストは70°でL5,S1,S2神経根が完全に伸張される。70°以降の疼痛は腰部あるいは仙腸関節に起因する。
ブラガードzx67
下肢伸展挙上により挙上側の下肢に痛みが現れるところから約5度下肢を下げて、足関節の背屈を加える。この操作により下肢痛が再現される場合、テストは陽性であり、坐骨神経障害の存在を示唆する。
フアジャースタイン(健側下肢挙上テスト)zx37
片側下肢伸展挙(健側下肢の挙上)で、反対側の下肢に痛みを訴えた場合,椎間板ヘルニアなどの占拠性病変が示唆される。陽性では,神経根の内側に比較的大きなヘルニアがあることを示唆している。このテストによって,同側の神経根と同様に反対側の神経根も伸張され,硬膜嚢が外側に牽引される。

 

Patrickテスト(Faberテスト)
患者を背臥位にして,患者のテスト下肢の足を対側下zx55肢の膝の上に置く。検者は,外転位にあるテスト下肢を,ゆっくりと診察台の方向に下げていく。テスト下肢が診察台まで下がるか,あるいは少なくとも対側下肢と平行になれば,テストは陰性である。これに対して,テスト下肢が対側下肢より上にとどまっていれば,テストは陽性である。
テスト陽性では,?股関節病変,?腸腰筋スパズム,?仙腸関節病変などが示唆される。

 

ソートホール
患者を仰臥位にして、頭頚部を屈曲させる。陽性では、頚椎部や胸椎部に痛みが起こる。
陽性では、頚椎、胸椎部zx68の骨構造、靭帯の損傷が存在する。頭頚部屈曲に伴い、膝関節の屈曲が起こる場合、髄膜刺激症状が疑われる。

 

ゲンスレン
患者を仰臥位にし、健側zx47の膝関節と股関節を屈曲させて、胸部に近づける。患側の大腿をテーブルに向かって押す。仙腸関節に痛みが出現する場合、テストは陽性であり、仙腸関節障害を示す。
神経学検査

膝蓋クロヌスzx19
膝蓋骨を下方に下げた状態で、指の上から打検器で足方に叩く。膝蓋腱反射のように大腿四頭筋の収縮が起こり、この収縮が数回繰り返される場合、上位運動神経ニューロンの障害が疑われる。
デルマトームderl
L1:腰部、上臀部、鼠径部
L2:腰部、大転子、大腿前面近位、大腿後面外側
L3:大腿後面内側、大腿前面?膝、下腿内側、
L4:大腿前面から下腿内側、下腿後面内、足部内側
L5:大腿前面遠位外側、下腿前面外側、下腿後面外側、足背、母趾と第1?3趾、足底遠位内側
S1:足底
S2:大腿/下腿臀部後面中央
S3:臀部内側
S4:会陰、陰部、仙骨下部
S5:肛門周囲
筋力テスト
大腿直筋(L3)

zx62

大腰筋(L1、L2)

zx60

前脛骨筋(L4)

zx69

後脛骨筋(L5)

zx70

長・短腓骨筋(S1)

zx58

第三腓骨筋(L5)

zx57

長母趾屈筋(L5)

zx41

長母趾伸筋 (L5)

zx36

 

側臥位の検査

整形外科検査

腸骨圧迫テストzx50
患者を側臥位にし、天井側の寛骨をテーブルに向けて押す。
仙腸関節部の痛みが発生する場合、テストは陽性であり、仙腸関節障害を示唆する。
大腿神経牽引テスト
患者の健側肢を下に側臥位にし,健側の股-膝関節を軽度屈曲位にする。このとき患者の胸腰部が過伸展にならないようにまっすぐにする。患者の頭部を軽く前屈させて検者は患者の患側肢を握り,股関節を約15°伸展位に保持したまま膝関節を伸展する。次に,患側膝関節を屈曲する。この手技によって大腿神経がさらに伸張される。痛みが大腿前面に放散するようであればテストは陽性である。zx40
この伸張テストは,L2?L4の腰部神経根のテストでもある。下肢伸展挙上と同様に,反対側の下肢のときに陽性所見が出現することもある。鼡径部や股関節部の疼痛が大腿内側前面に放散するようであればL3神経根損傷が示唆される。脛骨中央部への疼痛放散はL4神経根損傷を示唆している。

腹臥位の検査

腰部下肢テスト

視診(色,瘢痕,変形etc. )

触診(温度、浮腫、トーヌス)

肋骨圧迫テスト

筋力テスト:ハムストリング筋、梨状筋、大殿筋

整形外科テスト:ヨーマン

視診
色,瘢痕,変形etc.
異常な部位の体毛
カフェオレスポット
下肢の体毛の部分的な欠損

触診
腰部下肢の温度、浮腫、トーヌス

肋骨圧迫テストzx63
患者を腹臥位にし、脊柱外側の肋骨をテーブルに向けて圧迫する。はじめは軽く徐々に押圧を強める。
胸部や背部に痛みが出れば、検査は陽性であり、肋骨、肋軟骨、肋骨の関節の障害を示す。

筋力テスト

ハムストリング筋

zx49

梨状筋

zx59

大殿筋

zx48

ヨーマン
患者を腹臥位にし、検者は片手で仙腸関節に前方に押圧を加えた状態で、同側の膝関節最大屈曲を保持しながら、大腿を挙上する。仙腸関節部の痛みは仙腸関節前面の靭帯の損傷を示す。

zx88
腹臥位膝屈曲テス
患者を腹臥位にして,検者は患者の膝を他動的に最大屈曲し,踵を殿部に近づけて45?60秒保持する。この際,股関節が回旋していないことを確認する。病変のために膝を90°以上屈曲できない場合には,膝を可能な限り屈曲した状態で他動的に股関節を伸展する。腰椎の片側性疼痛が出現したときには,L2あるいはL3神経根病変が示唆される。このテストは大腿神経も伸張している。大腿前面における疼痛は,大腿四頭筋の緊張を示唆している。